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Livin' as an ice-age-generation

7.ヨーロッパ一人旅

ヨーロッパ一人旅

 まずは、ヨーロッパ12カ国20都市を主に列車で旅することにした。

【訪れた国と都市】

イタリア(ローマ、フィレンツェヴェネチア、ミラノ)→フランス(ニース)→モナコ公国→スペイン(バルセロナマドリッド)→ポルトガルリスボンポルト)→フランス(パリ)→ベルギー(ブリュッセル)→オランダ(アムステルダム)→ドイツ(ベルリン)→ポーランドワルシャワクラクフ)→チェコスロバキアプラハ)→オーストリアウィーン)→ドイツ(ミュンヘン)→スイス(チューリヒ)→イタリア(ミラノ

 事前に50泊分の宿泊予約をし、google callenderにスケジュールを記入し、

リュックひとつで50日間の長い旅に出掛けた。

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旅のトラブルはしょっちゅうで、毎日が冒険だった。
突然GPSネット電話も使えなくなったり、宿泊先の受付が不在で建物に入れなかったり、ジプシーの集団に取り囲まれたり、プラハ駅の総合案内所で”I don’t know.”と返されたり…。

おかげで、どんなトラブルがあっても冷静に対処できる自信はついた。

しかしながら、終始ヨーロッパの文化レベルの高さには圧倒された。

 教会

f:id:tayutai0001:20180621132237j:plain王宮

f:id:tayutai0001:20180619001102j:plain街並み

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美術館

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風景

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公園

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ヨーロッパで特に印象的だったのは、公園だった。

全体にゆったりとした時間が流れていて、人々の生活を楽しんでいる姿がとても印象的だった。

公園を散歩すると、芝生の上に寝転んでを読む学生、階段に座っておしゃべりをする女の子、バイオリンの生演奏を聴きながら肩を寄せ合う恋人たち、皆思い思いに自分たちの時間を楽しんでいた。

人との交流の仕方がとても自然で、生活を楽しむことに重点を置いている様子がよく伝わった。

ヨーロッパの人たちは生活の中に仕事を位置づけており、日本人は仕事の中に生活を位置づけているように感じた。

人々が自由に振舞いながらも全体に調和が取れているのは、自分の存在を大切にするのと同じように、他人の存在も大切にしようとする配慮が働いているからだと思う。

 昔の日本人もそうした配慮ができる人が多かったが、最近は「他人の存在は気にしない。自分の好きなようにやりたいことをやる。」という個人主義が流行してギスギスしている。
これはCell(個室)に閉じこもって他者との関係を遮断するいわば個室主義であり、欧米の個人主義とは根本的に異なるように思う。

欧米人は他者を尊重するがゆえにとの交流に積極的で、

日本人は自分を尊重するがゆえにとの交流に消極的なのではないだろうかか。

そう考えれば、欧米人はパブリック(互いに自立した個人同士)な世界で活躍の場を求め、日本人はプライベート(自分だけ、あるいは知り合い同士)な世界で活躍の場を求める傾向にあるのは納得出来る。

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また、文化が生活の中にしっかり根付いている点も印象的だった。

日本文化は寺社仏閣、能楽、茶道、着物などいろいろあるが、それらを生活に取り入れている人は一般的に少ない。

ヨーロッパは文化が生活の中に浸透していて、世界的に有名な教会でも無料で入れる教会が多く、毎朝礼拝に通ったり、告解をしたりして生活の場として人々の心のよりどころになっている。

美術館に関しても無料で入館できる日が設定されており、作品の写真を撮ったり、キャンバスを持ち込んで模写をしたりすることができ、高度な文化に親しむ機会を広く提供しようとする配慮が感じられる。f:id:tayutai0001:20180615170653j:plain作品もガラスケースに入れずに剥き出しのまま展示されているため、作品を間近で鑑賞することができ、細かい筆の運びなどを見て画家の息遣いを感じとることができる。

欧米の美術館に行くと教師が子供たちを連れて美術の授業をするシーンによく遭遇する。

子供たちが車座になって教師の授業を聞き、教師が「これは何に見えますか?」と質問すると、子供たちは口々に発言する。

教師は子どもたちの感想を上手にまとめながら子供の想像力を膨らませていて、を輝かせながら授業を受ける子供たちの姿が印象的だった。 

日本は素晴らしい文化がありながら、文化生活が切り離されていてとてももったいないと思う。

今や 文化はガラスケースの中に厳重に管理され、生活は使い捨ての安物やその場しのぎの流行で溢れている。

国の文化はもともと生活の中から出てきたものなので、再び生活の中に戻すことができれば、もっと心豊かに暮らせるのではないだろうか。

海外に出ると自分の国について冷静に見つめなおすことができて、様々な気づきがあった。

ヨーロッパ旅行は大きな賭けだったが、その分収穫は大きかった。

子供の頃からずっと部屋に閉じこもっていた私が、こうして世界を自由に飛び回るようになるとは、改めて人生の不思議さを実感する。

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tayutai0001.hatenadiary.jp